ことぶき学童保育を訪ねて 日産NPOラーニング第9期奨学生 桑名宏美
大学3年生の時、初めて寿町のことを知り、一度は訪れたいと思っていた町に、3年越しで行くことができました。自分自身、隅田川沿いの野宿者支援の現場には何度も立ちあったことがあり、野宿者・日雇い労働者であるおじさんたちとおしゃべりをするほどだったので、寿町に行く際にも、まったくと言って良いほど抵抗はありませんでした。 しかし、今回ことぶき学童保育を探して一人で雨の寿町を30分以上歩き回っていた際、なんともいえない不安に襲われ、必要以上に、自分が神経質になっているのが分かりました。そのこともあり、ようやくことぶき学童保育にたどり着いた瞬間、なんともいえない安堵感・安心感を得ました。入ってすぐに、指導員の「のりたま」さん、石井さんがあたたかく迎えいれてくださり、中は家庭の雰囲気のあふれるとても安心できる空間でした。入った瞬間に感じた安心感、それは、子どもたちが学童に来たときに感じるものと同じではないかと強く感じたことを覚えています。 ことぶき学童保育に来る子どもたちの中には、外国籍の子どもも多くいます。在留資格の関係で、親御さんが拘束されてしまったり、突然今日の明日で母国に帰ることになる子どもたちも少なくないといいます。そのように、生活自体が安定しない中、常にどこかで不安を抱えながら生きる子どもたちにとって、ことぶき学童保育は、誰からも邪魔されず、そして、傷つけられることなく安心していられる場所・安心して「子ども」でいられる場所になっているのではないかと感じました。 学童に入った瞬間、守られているような感覚になったというのは、物理的なものもありますが、何よりも、そこにいる石井さん・のりたまさんの器の大きさによるものなのではないかと思います。外国籍の家庭や生活保護を受けている家庭は、そうでない家庭と同じように振舞っていても、偏見を持って見られてしまうことがあります。子どもたちには何の非もないのに、何もしていなくてもレッテルを貼られる感覚を、日常生活の中で、敏感に感じているのではないか、そのように感じれば感じるほど、ことぶきの子どもたちの明るさの持つ意味、そして、その笑顔を生み出すことのできる石井さん・のりたまさんのされていることの意味の大きさを改めて感じます。 「どんな子も、安心して生きられるように」。 国際協力の現場では、よく聴かれる言葉です。日本の中にも、安心して生きられない子どもたちがいること・子どもたち、それぞれのいのちの重みに差はないこと、このことをいかに周囲に伝え、いかに自分の周りから変えていけるのか、一生をかけて追求したい自分自身のテーマの新たなスタート地点に立ったような思いです。
◇今までのレポート 第1弾 うさぎ山プレイパークに行って 第2弾 鎌倉中央公園に行って 第3弾 ままとんきっずに行って(2005年奨学生関さんレポート) 第4弾 たまりばフェスティバルに行って 第5弾 びーのびーの訪問レポート 第6弾 カラカサン訪問レポート 第7弾 親子のひろば「まんま」
私は、NPO,NGOの活動に昔から興味を持っており、いろいろな団体のことを調べたり、活動に参加したりしてきました。いろいろな方からお話を伺う中で、皆さんが、必ず口にされることが、財政基盤の弱さと、NPO、NGOがそれぞれ単独で行動することによって、できることに限界ができてしまうという、ネットワークの弱さでした。その課題を解決し、より多くの方に活動していただくためには何ができるのか、実際に現場で活動させていただき、多くの方にお話を伺うことを通して学び、考えたいと思ったことから、今回の活動に応募させていただきました。できるだけ多くのことを学ぶことができるように、一つひとつのことにじっくりと向き合い、この活動を通して、自分の足元から行動に移していける基盤をつくりたいと思っています。どうぞ宜しくお願いします。