カラカサン〜移住女性のためのエンパワメントセンターを訪れて 日産NPOラーニング第9期奨学生 桑名宏美
カラカサンは、日本国内での、家庭内、家庭外の差別、偏見により、自尊心に傷を負った移住女性が、同じ境遇にある人同士の相互のかかわりの中で癒され、人としての尊厳を取り戻し、自分自身、そして、それを取り巻く環境を変えていく力を回復していくことを目指す団体です。スタッフはほとんどが、元相談者であったフィリピンの女性です。現在では、女性のサポートのみでなく、その子どもたちにも焦点をあてた活動に取り組んでいるとのことでした。 今回は、カラカサンの活動を中心となって支えてきた、鈴木健さんにお話を伺いました。 鈴木さんのお話には、フィリピンから来た女性の抱える問題、それと向き合ってきた鈴木さんの何年もの思いが、あふれていました。 もっとも心に響いたのは、「エンパメントとは、ひどい暴力を受けてきた女性が、笑顔を取り戻すことなんじゃないかと思うんです」「もともと明るく、優しく、温かい、彼女たちのありのままでいてほしい」という言葉でした。鈴木さんがフィリピンの方と出会ったのは、高校生のときであり、「何かをしてあげよう」という思いを持って活動を始めたわけではありません。ご自身も、多くのことを抱えながら、それと闘いながら生きている中で出会い、一緒にお酒を飲んだり、話をしたり、人としての付き合いを続けてきたその延長で、現在があるそうです。信頼関係があるからこそ、人として、大切に思うからこその言葉であり、その言葉は、人としての愛情にあふれていました。 私の中で、エンパメント、心のケアに対して、「何かしてあげる」「助けてあげる」というイメージが強かったこともあり、鈴木さんの一言ひとことが、自分の心にグサリグサリと突き刺さるのが分かりました。上から何かをするわけではなく、課題を受け止め、一緒に歩いていく、その姿が、私にとって、とても印象的でした。 何か行動を起こすとき、それが社会を変える力になるとき、一番重要なのは、それを起こす人の、人としての深さなのではないかと、強く思いました。 支えるということは、「一方的にしてあげること」ではなく、お互いが、人として、必要としあう関係の中でこそ、生まれるものであり、支えあい、お互いの生きる力につながるからこそ続いていくものであるように思います。小さくても、強いつながりをつくり、それを積み重ねていくこと、そして、同じように活動している人たちとつながっていくことで、点が面になり、社会を変えていく大きな力になるのではないか、今回の訪問で、そのことを強く感じました。
◇今までのレポート 第1弾 うさぎ山プレイパークに行って 第2弾 鎌倉中央公園に行って 第3弾 ままとんきっずに行って 第4弾 たまりばフェスティバルに行って 第5弾 びーのびーの訪問レポート
私は、NPO,NGOの活動に昔から興味を持っており、いろいろな団体のことを調べたり、活動に参加したりしてきました。いろいろな方からお話を伺う中で、皆さんが、必ず口にされることが、財政基盤の弱さと、NPO、NGOがそれぞれ単独で行動することによって、できることに限界ができてしまうという、ネットワークの弱さでした。その課題を解決し、より多くの方に活動していただくためには何ができるのか、実際に現場で活動させていただき、多くの方にお話を伺うことを通して学び、考えたいと思ったことから、今回の活動に応募させていただきました。できるだけ多くのことを学ぶことができるように、一つひとつのことにじっくりと向き合い、この活動を通して、自分の足元から行動に移していける基盤をつくりたいと思っています。どうぞ宜しくお願いします。