子どもたちが生きていることに誇りと喜びを持てる地域社会を

神奈川子ども未来ファンド

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2005年 選考結果報告

2005年は、事業費助成に6団体、運営促進助成に9団体のご応募をいただきました。第三者機関である選考委員会が公正に選考あたり、以下の8団体への助成が決定しました。

神奈川子ども未来ファンド 2005年 助成対象団体

【運営促進助成】 5団体 助成総額1,750,000円

団体名 事業内容 都市名 助成金額
ウエスト神奈川女性の人権を守る会 <DV被害者のシェルター>
心身ともに傷ついた子どもへの支援とケア
西湘地区 400,000
片倉うさぎ山公園遊び場管理運営委員会 <プレイパーク活動>
子どもがとことん遊べる場づくり
横浜 400,000
特定非営利活動法人 楠の木学園 <障害児・不登校の子どものフリースクール>
ゆとりを持って働ける環境に
横浜 300,000
特定非営利活動法人びーのびーの <乳幼児親子のサロン活動>
ひろばファシリテーター養成による環境の充実
横浜 150,000
特定非営利活動法人ままとんきっず <乳幼児親子のサロン活動>
育成の充実と施設維持・活動資金の確保
川崎 500,000

【事業費助成】 3団体 助成総額250,000円

団体名 事業内容 都市名 助成金額
特定非営利活動法人Ethnic JAPAN 多文化共生実現のための活動 横浜 50,000
鎌倉中央公園を育てる市民の会 小中学生の谷戸体験学習の継続 鎌倉 150,000
ボランティアグループ未来 不登校の子どものための進路相談会 横須賀 50,000

神奈川子ども未来ファンド 2005年 助成選考委員

委員長
岩宮 陽子氏(株式会社飾一 代表取締役社長)
副委員長
伊藤 聡子氏(財団法人日本国際交流センター チーフプログラムオフィサー)
委員
鈴木 祐司氏(特定非営利活動法人 青少年育成支援フォーラム 国内事業統括)
柴田 愛子氏(絵本作家・有限会社りんごの木代表)
小村 陽子氏(横浜弁護士会 「子どもの権利委員会」委員)
斎田 順一氏(社団法人横浜青年会議所 2005年度財政顧問)

2005年 助成対象団体講評

選考を終えて

御応募頂いた皆様から苦心の末に運営促進助成と事業費助成を選考決定させて頂きました。

拝見した全ての応募書類から、各団体の方々の愛情と情熱と崇高な使命感が伝わり、審査員一同がそれぞれ選考に悩みました。どの団体も皆様が地域の中で多大な努力をなさり、子ども、若者、子育ての親達等への力強い支えとなり「子ども達の生きている事に誇りと喜びを持てる地域社会」を各自の方法で担わんとする意識が伺えました。志を推進なさる皆様方に心から敬意を表します。

助成の原資は個人や企業や組織団体の皆様からの寄付を頂いたもので、配分される額は多くはありません。しかし、助成金がより有効に有意義に活かされる様に願って、団体の選考に注力致しました。慎重に公平に審査を重ねました。せっかく御応募頂きましたのに、結果として皆様の御期待に添えなかった向きもあった事と存じます。お許し下さい。

グローバル化する中で、高齢化社会となる日本の未来を担う、価値ある子ども達が健やかに輝いて生きられる地域社会の形成を願います。より多くの団体が助成を得られ、更なる活動の充実を計れる為に、県内の方々から沢山の協力を得られる様「神奈川子ども未来ファンド」への関心と御支援を頂ける事を願って止みません。

2005年度助成選考委員会
委員長 岩宮 陽子

選考経過

選考ポイントに基づき、選考委員会に先だって各委員が応募書類による予備選考を行った。本年度は、神奈川子ども未来ファンド助成2年目の選考で、運営促進助成に継続応募4団体があったため、委員会では、まず継続応募団体の審査を行った。審査は、応募書類の2004年活動の中間報告,2005年計画、活動状況の事前ヒアリング報告による予備審査を踏まえて、継続是非を討議決定した。その後、新規応募団体を予備選考結果と委員会討議を経て選考し、候補団体を運営促進助成6団体(継続分含)、事業費助成3団体と決めた。

運営促進助成は、新規応募の候補団体に対して、各団体の活動現場を事務局が訪問して、活動実態や財務諸表の確認と、子ども・若者や親子へ向き合う姿勢や組織運営の現状までの詳細なヒアリングを行った。選考委員会では、訪問結果も踏まえ、新規分の助成是非を検討決定した後、継続分を含めた運営促進助成の各助成額を、応募額に基づいて検討決定した。

事業費助成は、必要に応じて電話ヒアリングを行い、選考委員会で検討を進めたが、応募数が多いため助成対象を3団体、総額25万円とすることを決め、各助成額の決定を行った。

選考のポイント

<運営促進助成>

  1. 「助成対象団体」の条件に合致しているか
  2. 応募された「場」の運営の必要性・先駆性・開拓性
  3. 組織運営や事業運営の健全性・民主性
  4. 応募した内容の計画性や実現可能性
  5. 当事者の参画を保障する場づくりが行われているか

<事業費助成>

  1. 「助成対象団体」の条件に合致しているか
  2. 事業の緊急性・先駆性・開拓性
  3. 事業運営の健全性
  4. 応募した内容の計画性や実現可能性

助成対象団体 講評

【運営促進助成】 5団体

ウエスト神奈川女性の人権を守る会
取り組むテーマ
心身ともに傷ついた子どもへの支援とケア
助成額
40万円
活動概要
DV被害者の一時保護シェルター、保護中の子どものケア・学習支援活動
講評
神奈川県内には9つのDVシェルターがあるが、本会のシェルターアペゼは、建物の広さや敷地内に庭があることなどから、子どもをもつ被害女性の受け入れを優先していることが特徴である。本事業は、これまで充分に対応できていなかった傷ついた子どもの心をケアするための環境整備である。母子を受け入れるシェルターのモデル事業となり、全国の他のシェルターへの波及効果を期待して助成を決定した。
片倉うさぎ山公園遊び場管理運営委員会
取り組むテーマ
子どもがとことん遊べる場づくり
助成額
40万円
活動概要
冒険遊び場(プレイパーク)活動
講評
初年度の成果をもとに2年目の継続助成を決定した。本助成を活かし、プレーリーダーを常駐したことで、場が活性化した。活動を安定させようと努力した様子が伺える。他地域の同様の活動に対しても刺激を与え、先駆的な役割を果たしている。子どもの体験を理解してもらうよう、親に対してのケアも心がける姿勢には敬服する。人の出会いの場としても機能しており、子どもの居場所として、より定着した活動となることを期待したい。
特定非営利活動法人 楠の木学園
取り組むテーマ
ゆとりを持って働ける環境に
助成額
30万円
活動概要
知的ハンディを持つ子ども、学習の機会に恵まれなかった子どもの学びの場
講評
LDや知的障害の子どもに対して、丁寧に寄り添い活動に取り組んでいる点、その活動に高い専門性を見られたことが評価された。また、今後フリースクールの理解と支援を生み出すために関係団体とのネットワークづくり、提言活動等の働きかけに積極性が感じられ、助成を決定した。
特定非営利活動法人びーのびーの
取り組むテーマ
ひろばファシリテーター養成による環境の充実
助成額
15万円
活動概要
乳幼児親子の交流、集いのひろばの提供、講座実施等
講評
初年度の成果をもとに2年目の継続助成を決定した。初年度のテーマであったひろばファシリテーター養成の研修は、充実した内容で行われたことが伺えた。日常のひろば事業活動に終始するのでなく、研修を通じて日々の活動のあり方に課題を見出し、より充実した活動へつなげていこうという姿勢が高い評価を受けた。今後も、自団体の活動の充実はもとより、他のひろば全体のボトムアップへつながることに期待をしたい。
特定非営利活動法人ままとんきっず
取り組むテーマ
人材育成の促進と安定した運営のための資金確保
助成額
50万円
活動概要
子育て情報誌の発行、乳幼児親子の交流・集いのひろば提供、講座実施等
講評
初年度の成果をもとに2年目の継続助成を決定した。初年度は、親向けの相談や講座の実施、スタッフの育成等を実施した。第1子を妊娠・出産する不安や子どもの成長に伴う気がかりな事などについて、スタッフとの対話だけでなく親同士のつながりのなかで解していく様子が見られる等、活動の充実化が伺える。この助成が、活動の更なる進展と、地域を軸にしたより豊かな子育て環境の創出につながることを期待したい。

【事業費助成】 3団体

特定非営利活動法人Ethnic JAPAN
事業名
多文化共生実現のための活動(若者自身で企画運営するエスニックキャンプ)
助成額
5万円
講評
日本人と外国人の若者の多文化交流の場を主催する経験とネットワークを有している。もともとは神奈川県国際交流協会主催行事として始められたが、その後協会の自主事業としての継続中止にともない、事業にかかわってきた外国人・日本人双方の青年たちが自主的に発展継続させている点を評価した。多文化共生社会の実現にむけて、若者主体の取り組みが地域に根づくことを期待して助成を決定した。
鎌倉中央公園を育てる市民の会
事業名
小中学生の谷戸体験学習の継続
助成額
15万円
講評
この基金の名称にある「子どもの未来」は、大人だけでつくり出すのではなく、子どもや青年との共同作業ではないだろうか。この団体は、中高生によるボランティア活動のきっかけづくりを通じ、社会の様々な問題等への気付きを増やすことを目指している。これまでにもボランティアに関心をもつ青年同士の出会いや意見交換の場を作り出してきている。青年達が主体となっている活動への応援の気持ち、そしてこれまでの活動実績を評価し、助成を決定した。
ボランティアグループ未来
事業名
不登校の子どものための進路相談会
助成額
5万円
講評
不登校の子どもをもつ親の会として発足し、その親同士の情報交換や進路情報の交換等に取り組んできた当事者団体である。不登校を経験するなかで、子ども自らが自分の生き方や、やりたいことの実現に動きだす際学校への進学という選択肢もあるだろう。この事業では、高校や行政との連携をしながら、学校以外の選択肢も含むより多様な選択肢についての情報を提供するもので、まさに今日的な課題に対するアプローチとして評価され、助成を決定した。

応募団体にみられた傾向

応募総数15件のうち、運営促進助成には6団体、事業費助成には9団体の応募があった。横浜市からの応募が7件(約5割)と最も多く、他は横須賀市、川崎市、茅ヶ崎市、逗子市など県内各地からの応募がきている。活動テーマは、子育て支援、保育、障がい、虐待、DV(ドメスティックバイオレンス)、いじめ、不登校、ひきこもり、遊び、自然体験、学習支援、文化、国際など、昨年以上に多様となった。活動の形態や内容から受益者負担が難しい団体をはじめ、多くの団体に活動資金の厳しさが感じられた。

助成対象となった団体は、趣旨や応募内容が明確で本助成による今後の広がりが感じられた。特に運営促進助成の継続団体は、前年度の助成が、安定して場を維持するための基盤づくりに活かされている様子や、類似の活動団体への広がりを生み出していることを確かめられた。

応募団体データ

  • 総応募件数 15件
    運営促進助成
    6件 応募総額1,950,000円
    事業費助成
    9件 応募総額1,152,000円
  1. 応募団体の活動テーマ
    <運営促進助成>
    • 障がい児・不登校の子ども等を中心としたフリースクール
    • 不登校・ひきこもりの子ども等を中心としたフリースペース
    • 乳幼児親子のサロン活動
    • その他(シェルター・遊び場)
    <事業費助成>
    • 子育て支援・教育関連・国際・不登校・ひきこもり・虐待等
  2. 応募団体の地域分布
    <運営促進助成>
    • 横浜市 3件
    • 川崎市・逗子市・西湘地区 各1件
    <事業費助成>
    • 横浜市  4件
    • 横須賀市 3件
    • 鎌倉市・茅ヶ崎市 各1件
  3. 応募団体の組織形態
    <運営促進助成>
    • 特定非営利活動法人 3団体
    • 特定非営利活動法人 申請中 1団体
    • 任意団体 2団体
    <事業費助成>
    • 特定非営利活動法人 5団体
    • 任意団体 4団体