子どもたちが生きていることに誇りと喜びを持てる地域社会を

神奈川子ども未来ファンド

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2021年度 選考結果報告

2021年度は、13団体のご応募をいただきました。第三者機関である選考委員会が公正に選考にあたり、以下の7団体への助成が決定しました。

 

神奈川子ども未来ファンド 2021年度 助成対象団体

助成総額 1,150,000円

<一般助成>

団体名 事業名 < >内活動領域 都市名 助成金額
常設子育てサロン ちっちゃなて <子育てサロン事業>
子育てサロンの運営
秦野 200,000
NPO法人 ここだね <学習支援事業>
無料相談・無料学習支援事業
逗子 200,000
多文化まちづくり工房 <学習支援事業>
外国につながる子どもの学習サポート事業
横浜 200,000
ペアレンティングホーム金沢文庫
(シングルマザーシェアハウス) 
<事業>
目の前にいるこども達に、学びと社会体験の
環境を提供する事業
横浜 150,000
ミナクルあすなろの家 <居場所づくり事業>
不登校児童生徒やひきこもりの青少年達及び
その家族の皆さんが安心できる居場所作り
座間 130,000

<課題助成>

団体名 事業名 < >内活動領域 都市名 助成金額
NPO法人 神奈川子ども支援センター
つなっぐ
<被害にあった子どもたちへの支援>
子どもが話すことサポート(付添犬)勉強会
横浜 135,000
NPO法人 ZIRITSU <IT教育支援事業>
自立のためのIT教育
横浜 135,000

 

神奈川子ども未来ファンド 2021年度 助成選考委員

委員長
北川 剛司氏(北川商事株式会社 代表取締役社長)
委員
奥山千鶴子氏(NPO法人 子育てひろば 全国連絡協議会理事長)
飛彈野 理氏(神奈川県弁護士会所属弁護士)     
西川  正氏(特定非営利活動法人 ハンズオン埼玉常務理事)
山口  明氏(前神奈川県労働委員会委員)

2021年度 助成対象団体講評

選考を終えて

本年度も「神奈川子ども未来ファンド」にご協力いただき、厚く御礼申し上げます。

一般助成への申請9件、「いじめ・貧困・児童虐待防止」をテーマとする課題助成に4件、合計13件のご応募をいただきました。

子どもたちが必要とする様々な課題に真摯に向き合い、地域社会に根ざした活動に日々取り組んでおられる皆さまには、心から敬意を表すると共に、日々のご努力やご苦労が少しでも報われるよう、この助成金が活動の一助になれば幸いです。子どもたちが生きていることに誇りと喜びを持てるような地域社会の実現に向けて、活動が更に飛躍されるようご期待申し上げます。

ご支援・ご協力いただきました皆さまには、今後とも本事業への更なるご理解を賜りますようお願い申し上げまして、選考委員会のご報告とさせていただきます。

2021年度助成選考委員会
委員長 北川 剛司

選考経過

神奈川子ども未来ファンドでは、県内で、子ども・若者や子育てに関わる人が地域の中で育ちあう「場」を自立的に運営しているNPOの活動へ助成を行っています。

助成対象事業については、活動の充実や拡大が期待できるテーマや、手法や成果がモデルとなり、他の団体や他の地域にもよい影響や変化を生み出すことが期待されるような取組みを優先し選考しました。

2021年度助成事業は、「一般助成」と「課題助成」、助成金額を総額120万円(1団体上限30万円)で募集したところ、総応募件数は13件(一般助成9件、課題助成4件)、応募総額は3,599,000円でした。応募団体には、子どもや親子の居場所を提供する事業、学習指導、外国籍につながる子どもたちへの支援、シングルマザーの子どもたちへの支援、電話相談などの他、新しい生活様式にあわせたリモート学習などの支援に取り組む様子がみられました。また、被害を受けた子どもへ「付添犬」によるサポートや児童養護施設の当事者によるIT教育事業など先駆的な提案もありました。

「一般助成」では、事業の必要性や先駆性や緊急性、その目標と内容との整合性、事業の波及効果などの視点から検討を行い、本助成金による活動の充実や拡大が期待できる6事業を助成対象としました。「課題助成」では先駆性、必要性から検討し2事業を対象としました。

上記の通り厳正なる選考の結果、8事業(一般新規4件、一般継続2件、課題新規2件)総額1,200,000円の助成を行うことに決定しました。

※選考後1団体が辞退し、7事業、総額1,150,000円となりました。

応募団体にみられた傾向

応募団体の所在地については横浜市が8件、秦野市、座間市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、各1件と、県内広域からの応募がありました。

活動分野は、地域とのコミュニティーを活用した居場所づくりなどのほか、外国籍の支える学習支援やIT学習支援、フリースペース、シングルマザーの子どもたちへの支援、虐待を未然に防ぐ電話相談など多岐に及びました。

助成金の使途は家賃の補填や人件費等の団体の運営基盤の整備の他、講師謝金、物品の購入やIT関連費用ボランティアスタッフの交通費など応募事業の運営にかかわる費用等にあてられ、その使途は課題に即し明確なものとなっていました。

助成対象団体 講評

常設子育てサロン ちっちゃなて

事業名
子育てサロンの運営
助成金額
20万円
応募事業概要
週3回の子育てサロンを安心して安定的に運営する事業
講評
3つの自治会で実施していた子育てサロンを統合、地域子育て支援拠点事業として週3日の開催となり公費が入ったとはいえ、スタッフは有償ボランティアという位置づけにせざるを得ず、ご苦労されている様子がよくわかります。児童福祉事業として、スタッフの働き方が守られるよう、さらに行政にも働きかけをしつつ、地域の子育て家庭のために敷居の低い居場所として住民の力を活かした活動を充実していただけますよう応援しています。

NPO法人 ここだね

事業名
無料相談・無料学習支援事業
助成金額
20万円
応募事業概要
フリースクール終了後の時間と場所を使い無料の相談と学習支援を行う事業
講評
フリースクールの運営を通して義務教育卒業までに「自律」し「自立」に向かって「自己実現」していけるケアとサポートを実践している活動に強く共感しま          す。それは本来大人の責任であり未来を切り開く為に必要な事だと考えています。助け合い、分かち合い、こころ豊かに生きられる社会創りに向けて今後も活動の輪を拡げていく事を期待しています。

多文化まちづくり工房

事業名
外国につながる子どもの学習サポート事業
助成金額
20万円
応募事業概要
旧いちょう小学校の教室を使い、外国につながる中高生の学習支援を行う事業
講評
横浜市も横浜市国際交流協会で日本語学習支援センターなどを立ち上げて支援していますが、中々需要に追いついていないようです。貴団体の活動は、そんな行政を補完する素晴らしい活動で、外国人の子供や親が言葉の壁を乗り越え、地域社会で円滑にコミュニケーションが取れる環境作りは急務だと感じます。全体の配分上、満額助成することが出来ないのは大変心苦しいのですが、横浜市にもいろいろな助成制度がありますので、活用していただければと思います。活動の今後益々の飛躍をお祈り申し上げます。

ペアレンティングホーム金沢文庫(シングルマザーシェアハウス)

事業名
目の前にいるこども達に、学びと社会体験の環境を提供する事業
助成金額
15万円
応募事業概要
シェアハウス入居者の子どもたちに学びや地域と繋がる社会体験を提供する事業
講評
シングルマザーのための現代版の長屋というコンセプトに共感します。生活基盤の住居の確保に加え、地域の多様な大人たちによる子どもたちへの社会体験機会の提供は、社会の信頼感に必ずやつながるものと確信します。ヒトは親以外の手も借りて子どもを共同養育することで進化してきたと言われていますが、まさに具現化した形の皆さまの活動に期待を寄せています。

ミナクルあすなろの家

事業名
不登校児童生徒やひきこもりの青少年達及びその家族の皆さんが安心できる居場所作り
助成金額
20万円
応募事業概要
コロナ禍の現状を踏まえ、工夫をしながら不登校児童やひきこもり青年とその家族に寄り添う居場所を継続させる事業
講評
不登校児童やひきこもりの青少年達とその家族(親)の悩みを聞く事で、課題の共有化と解決の場(入口)として機能していると思います。特にコロナ禍にあっては事業のやり方を工夫したり、感染防止の環境整備を整えたりと様々な見直しにも取り組んでいますが、人と人とのふれあいの大切さを今後も活動の中心に置いて活動して欲しいと願っています。

NPO法人 神奈川子ども支援センターつなっぐ

事業名
子どもが話すことサポート(付添犬)勉強会
助成金額
13万5千円
応募事業概要
被害にあった子どもたちの負担軽減となる付添犬に関する研修会を実施する事業
講評
貴団体が、長年に亘り、子ども達の様々な問題に真摯に対応してきたことに敬意を表します。付添犬を使った取り組みはとても先駆的であり、今後の成果に大きな期待が出来ると思います。全体の配分上、満額助成することが出来ないのは大変心苦しいのですが、付添犬に関する研修会開催に伴う講師謝金と交通費部分を助成させていただくことに致しました。活動の今後益々の飛躍をお祈り申し上げます。

NPO法人 ZIRITSU

事業名
自立のためのIT教育
助成金額
13万5千円
応募事業概要
児童養護施設の児童にスマートフォンの利用方法などIT教育を提供する事業
講評
貴団体が、急速に進む情報化社会において、スマートフォンが生活必需品である一方、ITリテラシーが十分でないまま社会に出ていく子どもが、犯罪に巻き込まれたり、消費者被害に遭ったりする危険は随所に潜んでいます。社会的養護にある子どもたちにITの基礎を教育するという今回の取組みは、福祉の支援だけでは行き届かない領域を補完するものとして、先駆的であり、重要な役割を担っていると評価しています。