神奈川子ども未来ファンド 2024年度 助成対象団体
助成総額 1,498,000円
<一般助成>
団体名 | 事業名 < >内活動領域 | 都市名 | 助成金額 |
---|---|---|---|
特定非営利活動法人 ふじぽけ | <居場所づくり事業> 子どもの居場所事業 | 藤沢市 | 90,000 |
一般社団法人 グローバル 文化協働支援センター | <学童保育事業> にこにこ学堂クラブ | 川崎市 | 280,000 |
一般社団法人 あそびの庭 | <居場所づくり事業> 「はらっぱベース」~子ども真ん中・だれでもどうぞの居場所づくり~ | 二宮町 | 240,000 |
特定非営利活動法人 まんま | <乳幼児親子支援事業> 乳幼児から学齢期をつなぐ切れ目のないピア相談「ぽれぽれ」 | 横浜市 | 200,000 |
特定非営利活動法人 育ち合い広場・てとてとて | <学習支援事業> 学校に代わるオルタナティブな学び場事業 「まなびこ」×「てらこやわはは」 | 藤沢市 | 140,000 |
<課題助成>
団体名 | 事業名 < >内活動領域 | 都市名 | 助成金額 |
---|---|---|---|
NPO法人 地域福祉を考える会 | <学習支援事業> 学習支援事業 | 伊勢原市 | 200,000 |
ユニバーサル絵本 ライブラリー UniLeaf | <「関係性の貧困」支援> 「皆一緒」の社会へ~新しいユニバーサルデザイン周知による理念普及~ | 葉山町 | 146,000 |
海岸地区社会福祉協議会 | <居場所づくり事業> サマースペース海岸 | 茅ヶ崎市 | 202,000 |
神奈川子ども未来ファンド 2024年度 助成選考委員
- 委員長
- 高見澤尚弘氏(株式会社高尚 代表取締役社長)
- 委員
- 奥山千鶴子氏(NPO法人 子育てひろば 全国連絡協議会理事長)
- 飛彈野 理氏(神奈川県弁護士会所属弁護士)
- 藤枝 香織氏(一般社団法人ソーシャルコーディネートかながわ理事・事務局長)
- 山口 明氏(前神奈川県労働委員会委員)
- 飛彈野 理氏(神奈川県弁護士会所属弁護士)
2024年度 助成対象団体講評
選考を終えて
日頃より「神奈川子ども未来ファンド」の活動にご協力を頂き、厚く御礼申し上げます。
また、本年度も助成事業へ多くのご応募を頂き、誠にありがとうございました。
一般助成への申請16件、「いじめ・貧困・児童虐待防止」をテーマとする課題助成へは7件、合計23件のご応募を頂きました。
「withコロナ」の時代となり「日常」が戻ってきていますが、生活環境の変化により、人と人がお互いにコミュニケーションを取り繋がっていく、そして生きている事に喜びを感じる…これからは更にその様な取り組みが必要であると感じています。
そうした状況の中で、子どもたちを取り巻く環境に関する課題に寄り添い、地域社会に根差した活動を誠実に行っておられる皆様へ心から敬意を表します。
この度の助成が、皆様の更に良い活動を行える一助になれば幸いです。
ご支援・ご協力をくださいました皆様におかれましては、今後とも本事業への更なるご理解を賜ります様、お願い申し上げまして、選考委員会としての報告とさせて頂きます。
2024年度助成選考委員会
委員長 高見澤 尚弘
選考経過
神奈川子ども未来ファンドでは、県内で、子ども・若者や子育てに関わる人が地域の中で育ちあう「場」を自立的に運営しているNPOの活動へ助成を行っています。
助成対象事業には、緊急性を重視しながら、多様な取組みなど活動が充実し発展が期待できるテーマや、またその手法や成果がモデルとなり他の団体や他の地域にもよい影響や変化を生み出すことが期待されるような取組みを優先し選考しました。
2024年度助成事業は、「一般助成」と「課題助成」、助成金額を総額150万円(1団体上限30万円)で募集したところ、総応募件数は23件(一般助成16件、課題助成7件)、応募総額は6,047,064円でした。
応募団体からは、子どもや親子の居場所づくり事業、居場所を活用した相談事業、居場所で地域をつないでいく事業、組織基盤を整備する事業、スポーツや学びを活用した事業など、様々な提案がみられました。また、課題助成では、子ども食堂をはじめ、地域で子どもたちを支える事業、関係性の貧困に取組む事業など、多様な提案が寄せられました。
「一般助成」では、居場所の必要性や先駆性、目標と事業内容との整合性、波及効果などの視点から検討し、本助成金による活動の充実や拡大が期待できる5事業を助成対象としました。「課題助成」では、取組みの必要性や緊急性から検討し3事業を対象としました。
上記の通り厳正なる選考の結果、8事業(一般新規1件、一般継続4件、課題新規3件)総額1,498,000円の助成を行うことに決定しました。
応募団体にみられた傾向
応募団体の所在地については横浜市7件、川崎市2件、相模原市2件、横須賀市2件、藤沢市3件、茅ヶ崎市、伊勢原市、鎌倉市、足柄上郡中井町、中郡二宮町、三浦郡葉山町など、県内全域からの応募がありました。
活動分野は、子ども・若者・子育てを地域で支える居場所づくりなどのほか、子ども食堂、学習支援、学童保育、野外活動、相談、外国につながる子どもたちの支援、スポーツを活用した支援など、多岐にわたりました。
助成金の使途は団体の運営基盤の整備の他、講師謝金、物品の購入やボランティアスタッフの交通費など応募事業の運営にかかわる費用等にあてられており、その使途は課題に即した明確なものでした。
助成対象団体 講評
● 特定非営利活動法人 ふじぽけ
- 事業名
- 子どもの居場所事業
- 助成金額
- 90,000円
- 応募事業概要
- 多様な大人との交流や経験ができる、地域のニーズに合わせた居場所事業
- 講評
- 普段の居場所事業の中で構築される人間関係の中から、子どもが抱える問題が発見された場合に寄り添っていこうとする姿勢や、外国籍家庭の参加をきっかけに多文化共生を目指す姿に共感しました。地域の現実的なニーズに対応しようとする事業であり、子どもと地域の大人をつなぐ多世代連携が生み出す効果にも期待しています。
● 一般社団法人 グローバル文化協働支援センター
- 事業名
- にこにこ学堂クラブ
- 助成金額
- 280,000円
- 応募事業概要
- シングルマザーや外国人マザー、夜遅くまで働く母親たちと子どもたちをサポートする「学堂クラブ」事業
- 講評
- 夜9時まで子どもたちを預かる学堂クラブの活動は、シングルマザーや外国人マザーなど、様々な事情で遅くまで働く母親たちの支えとなります。本助成が多様な背景をもつ子どもたちが楽しく充実した放課後を過ごす一助となり、また、活動を継続するうえで新たな支援者・協力者との出会いにつながりますよう期待します。
● 一般社団法人 あそびの庭
- 事業名
- 「はらっぱベース」~子ども真ん中・だれでもどうぞの居場所づくり
- 助成金額
- 240,000円
- 応募事業概要
- 学校を休んだ小中学生も大人も誰でもが参加できる居場所を定期的に開設する事業
- 講評
- 週3日の居場所「はらっぱベース」が定着し、時には学校に行けない子どもたちの居場所として活用されるなど、地域に欠かせない場になっている。寄付をはじめとした自主財源の確保にも工夫し運営基盤づくりにも力を入れた結果、安定的な開催と有償スタッフの増員が叶うなど着実に実績を積み重ねていることが評価されました。
● NPO法人 まんま
- 事業名
- 乳幼児から学齢期をつなぐ 切れ目のないピア相談「ぽれぽれ」
- 助成金額
- 200,000円
- 応募事業概要
- 乳幼児期から学齢期の様々な子育ての悩みにいつでも相談できる場を設ける事業
- 講評
- 女性の社会進出が進む一方、出産は男性より負担が増えがちでキャリアや収入などを失う可能性が高い。男女が共に社会と家庭での役割を等しく担っていくことや周りのサポート(環境作り)は少子化対策の喫緊の課題でもある。親と子を支える地域コミュニティの構築、推進を応援したい。
● NPO法人 育ち合い広場・てとてとて
- 事業名
- 学校に代わるオルタナティブな学び場事業「まなびこ」×「てらこやわはは」
- 助成金額
- 140,000円
- 応募事業概要
- 放課後の居場所に通う子どもに、平日昼間オルタナティブな学びの場を提供する事業
- 講評
- 平日週4日の学校に代わるオルタナティブな学び場を開設され、週4日間とも通うお子さんが増えて活動が定着、安心できる居場所であり学ぶ場となっている。暮らしに根ざした学び体験から受け身ではない自ら学ぶ意欲が湧き出る環境を提供。子どもたちが心許せる大人となれるよう研修に力を入れている点等が評価されました。
● NPO法人 地域福祉を考える会
- 事業名
- 学習支援事業
- 助成金額
- 200,000円
- 応募事業概要
- 経済的困窮のため学習塾に通えない子どもたちに適切な学習機会を提供する事業
- 講評
- 子ども食堂の運営を通して発見された学習支援のニーズに迅速に対応し、貧困の連鎖を断ち切ろうとする取組みに共感しました。特に、行政の支援から外れてしまう層の子どもたちも排除せず、柔軟に対応してきた姿勢に感銘を受けました。地域から子どもの未来を支える活動として、大きな期待を寄せています。
● ユニバーサル絵本ライブラリー UniLeaf
- 事業名
- 「皆一緒」の社会へ~新しいユニバーサルデザイン周知による理念普及
- 助成金額
- 146,000円
- 応募事業概要
- ユニバーサルデザイン絵本の周知・利用を通じ共に生きる社会への歩みを進める事業
- 講評
- 視覚障がい者と共に生きる社会の具体的な取り組みを実践している。私たちは目の不自由な人との接点もないままにいきなり共生社会を求められても迷ってしまうのが現状。ユニバーサルデザインの利用・周知を通じて自然で楽しい環境を分かち合い、互いを知ることを進めている。
● 海岸地区社会福祉協議会
- 事業名
- サマースペース海岸
- 助成金額
- 202,000円
- 応募事業概要
- ひとり親世帯等の子どもたちが夏休みに安心して過ごす居場所を開設する事業
- 講評
- 地元の福祉団体が中心に地域の学校にも協力を呼びかけ、総ぐるみで夏休みの子どもの居場所をつくる先駆的な取組みは、他の地域のモデルになると感じました。高校生や地域のボランティア参加につながっていることも素晴らしいと思います。子どもたちを地域の大人が見守る活動として定着、展開されますよう期待しています。