子どもたちが生きていることに誇りと喜びを持てる地域社会を

神奈川子ども未来ファンド

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2012年 選考結果報告

2012年度助成は、24団体のご応募をいただきました。第三者機関である選考委員会が公正に選考あたり、以下の9団体への助成が決定しました。

神奈川子ども未来ファンド 2012年 助成対象団体

助成総額 2,980,000円

団体名 事業内容 都市名 助成金額
音楽療法 ぐるーぷ響 <障がい児支援>
音楽療法のための楽器と楽譜購入
厚木 300,000
社会福祉法人 杜の会 <児童養護施設の学習支援>
児童養護施設「杜の郷」算数教室及び個別支援 家庭教師事業と「ふれあい塾」
横浜 200,000
学童保育スキップ鷺沼保護者会 <学童保育>
地域向けオープンプログラム事業
川崎 100,000
特定非営利活動法人ピアわらべ <子育て支援>
法人事務局の強化
横浜 400,000
キララの教室 <外国人(籍)児童・生徒への支援>
外国人(籍)児童生徒への学習支援
横浜 180,000
TIE トマトマの会 <外国人(籍)児童・生徒への支援>
トマトマ教室運営 ―外国につながる子ども達のための補習教室
茅ヶ崎 300,000
認定特定非営利活動法人スマイル オブ キッズ <患者家族支援>
病児のきょうだい児預かり保育
横浜 800,000
特定非営利活動法人のむぎ地域教育文化センター <震災支援>
“若者が打つ和太鼓”による震災支援
横浜 400,000
守りたい・子ども未来プロジェクト実行委員会 <震災支援>
守りたい・子ども未来プロジェクト -県内被災児童(家庭)の生活支援-
横浜 300,000

神奈川子ども未来ファンド 2012年 助成選考委員

宮林 雄彦委員長
委員長
宮林 雄彦氏(浄土宗大光院 代表役員 住職)
副委員長
渡辺 誠二氏(一般社団法人ロータリーの友事務所 所長)
委員
新井 聡子氏(横浜弁護士会子どもの権利委員会 委員)
伊藤 輝子氏(元鶴見大学短期大学部教授)
冨樫 匡孝氏(NPO法人自立生活サポートセンター・もやいスタッフ)

2012年 助成対象団体講評

選考を終えて

今期も「神奈川子ども未来ファンド」にご協力をいただいた皆さまに心から御礼申し上げます。おかげさまで貴重な浄財を、団体・企業・個人の方々から賜り、ご支援いただきました。また県内各地より20件を超えるご応募があり、特に本年度は例年の対象事業に加え、先年の東日本大震災で被災した子ども・若者を支援するプログラムに対しましても支援をさせていただきました。

選考委員会におきましては、助成選考基準に則り、公正に議論を致しましたが、どの事業も「子どもたちが生きていることに誇りと喜びを持てる」もので、選考は困難を極めました。その中で、それぞれの選考委員が一つひとつの事業について真剣に討議し、対象事業を選ばせていただきました。今回誠に残念ながらご期待に添えなかった応募者の皆さまにおかれましては事情をお汲み取りいただき、ぜひ次回またご応募賜りますようお願い申し上げます。

ご支援、ご協力いただいた皆さまに今後とも本事業に格別なご高配をいただき、益々より多くの事業カが助成団体となりますことをお願い申し上げ、選考委員会のご報告とさせていただきます。

2012年助成選考委員会
委員長 宮林 雄彦

選考経過

神奈川子ども未来ファンド助成は、県内で子ども、若者や子育てに関わる人が地域の中で育ちあう「場」を自立的に運営するNPOの活動へ助成をしています。

今回は従来までの「一般助成」に加え、東日本大震災で被害を受けた子ども・若者を支援するための事業全般を支援する「震災支援助成」を新たに設けました。応募総数は、昨年を上回る24件(一般助成は新規応募が9件、継続応募が5件。震災支援は10件)あり、応募総額は、15,598,000円(前年比1,548,000円増)でした。応募団体の所在地については、横浜市が11件と最も多かったもの、相模原、茅ヶ崎など県内10市からの応募がありました。

活動分野は、子育て支援、在日外国籍児童支援、障がい児支援、不登校・ひきこもり支援ほか多岐にわたっており、今回初めて病児のきょうだい支援に関する応募もありました。また震災支援に関しては、神奈川で生活し始めた子ども達への支援が4件、被災地へ出向いての支援が6件でした。

助成対象事業については、当該事業を実施することにより活動の充実や拡大が期待できることを重視するとともに、その手法や成果がモデルとなり、他の団体、他の地域にもよい影響や変化を生み出すことが期待される、新たな取り組みを優先的に選考しています。また震災支援は目的や対象が明確で、被災地との息の長い連携が期待できるものに助成を行うこととしました。

助成対象団体 講評

音楽療法 ぐるーぷ響

<一般助成 継続>

事業名
居場所のない子どもの電話相談事業
助成金額
30万円
応募事業概要
発達障害児を対象とした多様な形態での音楽療法
講評
昨年一年で参加者の数が増え、活動が広がりを見せていること、素晴らしいことと思う。しかし、参加者が増えることで支出が一方的に増えていく現在の財務体質では、活動が定着していくことが困難であると考えざるを得ない。2012年度の取り組みで、この点を改善していかれることを強く期待している。

社会福祉法人 杜の会

<一般助成 継続>

事業名
児童養護施設「杜の郷」算数教室及び個別支援家庭教師事業と「ふれあい塾」
助成金額
20万円
応募事業概要
児童養護施設児童及び要支援家庭児童への学習指導及び生活支援
講評
児童養護施設の子どもたちへの個別的学習支援は、恵まれない境遇にあった子どもたちの今後の人生を変えうる貴重な活動であり、頑張っている子どもたちにエールを送りたい。今後は、より地域との連携を強くし、賛同者を増やして、さらに充実した継続的活動となることを期待したい。

学童保育スキップ鷺沼保護者会

<一般助成 継続>

事業名
地域向けオープンプログラム事業
助成金額
10万円
応募事業概要
会員確保と地域との連携強化のための、親子参加型地域開放講座の実施
講評
昨年は子どもファンド助成を使用してスキップ鷺沼の保護者、親子向け企画が保護者の相互理解や子ども理解、学童運営への求心力を増したと思われる。 今年度は安定した会員確保、地域貢献として親子参加型オープンプログラム を開催予定とのことであるが、企画内容の吟味と実行力が求められよう。 また同時に上記の目的達成には「保育の質」の向上も欠かせないと考える。

特定非営利活動法人ピアわらべ

<一般助成 継続>

事業名
法人事務局の強化
助成金額
40万円
応募事業概要
「子育て応援隊ピアンド」の事業化及び支援者の育成
講評
子育て環境が厳しさを増す中、親子ひろばや一時保育事業を通して、子育てを支援してきた実績のある団体である。今年度は、さらにきめ細かな支援をしていくため、これまで支援の手が届きにくかった地域の親子に届ける支援を実現したいという目標に賛同し、3度目の助成を決定した。支援者を育成し、地域との協力体制を作ることで、この活動が地域に根差した継続的活動となることを期待したい。

キララの教室

<一般助成>

事業名
外国人(籍)児童生徒への学習支援事業
助成金額
18万円
応募事業概要
外国人(籍)の小・中学生への個別学習支援及び保護者への支援
講評
横浜市の外国人(籍)児童生徒への教育支援体制は十分とはいえない状況にある。そこに手を差し伸べて学習意欲につながる国語力を高めたり、地域社会に溶け込むための個別支援活動に、敬意と共にエールを送りたい。地元大学のサークルや同様の目標を持つ団体との連携は今後も大事なポイントとなる。児童生徒の募集は、多様に行うことで光を求めている子どもに応えることになると考える。

TIE トマトマの会

<一般助成>

事業名
トマトマ教室運営 -外国につながる子どもたちのための補習教室
助成金額
30万円
応募事業概要
外国につながる中・高校生への日本語及び受験を含めた教科サポート
講評
自分の意思で今ここ(日本)に住んでいるわけではない中高生の気持ちを受け入れ、学習支援をしている会である。1997年発足から口コミで広がり、その時々必要なことを提供して現在に至っている。そこに学習者に寄り添い続けた会の歴史を読み取ることができる。学習者とOBの交流の場(居場所)としての役割も果たしており貴重である。今後はこのような居場所が他の地域にも広がることを期待したい。

認定特定非営利活動法人スマイル オブ キッズ

<一般助成>

事業名
病児のきょうだい児預かり保育事業
助成金額
80万円
応募事業概要
県立こども医療センターに通・入院する子どものきょうだい児の支援
講評
難病児等の兄妹は、通院・入院などの際、医療機関において保護者からのケアが不十分になりがちである。長期に亘りこのような状態が続くが、成長期のトラブルを起こし易いと言われている。そこで、難病児支援を目指す当団体が、拠点病院や地域との連携の中で、支援の視野をその兄妹に広げつつ、子どもは誰でも愛される権利を持つこと、社会全体で子どもたちの成長支援に関わることの重要性を周知しつつ兄妹保育へと活動を拡大していることは評価できる。地域社会に訴えつつ財政基盤充実を確保する方策が急がれる。

特定非営利活動法人のむぎ地域教育文化センター

<震災支援助成>

事業名
”若者が打つ和太鼓”震災支援
助成金額
40万円
応募事業概要
被災地での和太鼓の演奏と交流
講評
これまでの長きに渡る多方面での活動実績にまず敬意を表したい。「のむぎ」に集う、生きにくさを抱える若者達が被災地を訪れることには、震災支援にありがちな「被災地を一方的に支援する」という形ではない、相互作用が見込める計画だと思われる。継続的なよい縁が生まれる契機になることを、期待している。

守りたい・子ども未来プロジェクト実行委員会

<震災支援助成>

事業名
守りたい・子ども未来プロジェクト
助成金額
30万円
応募事業概要
県内に避難している子どもを抱えた家族の交流、相談
講評
より困難さが予測される避難してきた子どもたち、これから避難を考えている子どもたちに寄り添おうという姿勢が明確である。また、県内それぞれの領域で活動する団体が実行委員会を形成すると共に、多様な社会的資源の提供が期待される。避難家族は生活困窮や自殺など、時系列に沿って多様な課題に襲われると考えられ、賛同団体の自己完結型活動に陥らず、広く多様な社会的資源の開発との連携も視野に入れ、継続的・重層的な活動が実践されることを期待する。